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ANAシステムズ様のウェルビーイング経営実践事例|Juku参加で学ぶ人的資本経営と社員エンゲージメント向上施策

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ANAシステムズ株式会社 は、ANAホールディングスのグループ会社として2013年に株式会社ANAコミュニケーションズと全日空システム企画株式会社の合併により設立。
エアライン分野に精通した「ITのスペシャリスト集団」として、エアラインビジネスを中心としたシステム企画・開発、空港施設・インフラ展開から稼働後のシステム運用、ANAグループ各社のDX推進支援、地域創生への取り組みなど、幅広く品質の高いトータルサービスを提供しています。

経営理念として「わたしたちは、人とデジタルの力で、幸せで豊かな未来をつくります」を掲げ、航空業界のDX推進と社会的価値の創出に取り組んでいます。

そうした中、ウェルビーイングに関する活動を率先して行っているANAシステムズ品質技術部 兼 全日本空輸デジタル変革室の森下 高弘様にJukuに参加したきっかけや感想、学んだことを持ち帰りどのように活用したかなどお話を伺いました。

参加した目的

  • 人的資本経営とウェルビーイングを体系的に学ぶため
  • 社員の働きがいや定着率を高めるヒントを得るため
  • 他社の事例からウェルビーイング向上のヒントを得るため

ーJukuに参加したきっかけを教えてください。

森下様:矢野さんに初めてお会いしたのが、2014年にIT企業が集まる研究会でした。ウェルビーイングのテーマではなかったのですが、矢野さんからその場で30分弱の講義をしていただきました。

そんな出会いがあって、2023年10月に開催した弊社の設立10周年記念イベントで、矢野さんにウェルビーイングをテーマとしたご講演をお願いしました。そういった関係もありましたので、矢野さんからJukuのお話を伺った時「ぜひ喜んで参加させてください」とお返事しました。

ーJukuに参加するにあたって、解決したい人事課題などはありましたか。

森下様:私が担当している基幹系システムは部門横断的な連携が重要視される業務であるため、人事領域の業務経験はありませんでした。ただ、個人的には当時から「良好な人間関係を保ち、気持ちよく仕事ができる環境って必要だよな」と感じていました。
その中で、矢野さんのウェルビーイングのウェビナーなどをいくつも拝見していて、「社内でそういう活動をした方が良いじゃないか」と思い立ったのが2020年頃でした。2020年頃は、業界全体が人材流動性の高まりという課題に直面していました。弊社においても、優秀な人材の定着は重要な経営課題の一つとなっておりました。

そこで「会社のためではなく、自分自身の働きがいやモチベーション」に着目してもらうことで、「もう少し会社に残って頑張ってみよう」と感じてもらえるのではと思い、社員がウェルビーイングについて考える活動を始めるきっかけになりました。そういった課題感から、社内で雑談会を開催して「ウェルビーイングについてどう思いますか?」という話を何回かしているうちに、各部門の中で自ら活動を始めてくれるメンバーが出てきました。

ただ、ウェルビーイングに興味をもってくれたメンバーと、そうではないメンバーでは「あの活動っていったい何?」というウェルビーイングへの理解や温度感のギャップがかなりあると、この数年感じています。それは会社の全社施策として、会社全体でどういったウェルビーイングを目指すかという理念とアクションが具体的になっていなかったからだと思います。その辺りを、次の課題感として感じていたタイミングで矢野さんからお声掛けがあり、Jukuに参加させていただこうと思いました。

ー森下様が発起人となって社内にウェルビーイングに関する活動を広げているんですね。活動当初は周りからの受け止め方は少し異質だなという感じでしたか。

森下様:そうですね。当時、私はチームリーダーだったのですが、チームメンバーが日々の課題解決のために毎日残業して多くの成果物を作る中で活動していたため「あの人何をやっているんだろう」という感じで見られていたと思います。

ーそこから少しずつ仲間集めをされていたんですね。現在はどんな活動をされているのですか。

森下様:先ほど述べた雑談会は『ひまわりカフェ』という名前で、社員が色々なテーマについて雑談できる場として数年前からスタートした取り組みです。

この中で『社員の幸福度向上について』というテーマを掲げたところ、1回目の開催は参加者10名程度でしたが、2回目、3回目と同じテーマで何回かトライしたところ、回を重ねるごとに20名、30名と参加者が増えていきました。参加者の中から共有したい事例を話してもらうということも行いながら、合計で100名程度に参加してもらいました。

ーJukuに参加するにあたって、講義内容など期待していたことがあれば教えてください。

森下様:矢野さんの講義内容についてはもちろん期待はしていましたが、それ以上に、他の会社から参加される方が矢野さんのお考えに対してどのように感じられるかというのは見聞したいというのが大きかったなと思います。その中で、各社のウェルビーイングの取り組みから何か社内に活かせるヒントが得られる期待はありました。

ー実際にJukuの中で矢野の講義内容に対する意見や各社のウェルビーイングの取り組みを聞くことはできましたか。

森下様:矢野さんのお話から新たな気づきを得られたのはもちろんですが、他の参加者の方々とのディスカッションを通じて、皆さんがどういった悩みや疑問があるのか、事業の規模や業種によっても、抱えている課題の傾向が違うと感じました。

特にプログラムの最後に発表する寸劇で一緒に活動したメンバーは、業種も事業規模も違い、それぞれのメンバーのウェルビーイングに対する考え方や思いを聞くことができ、社内にも応用できるヒントを得られました。

ーそういった他社様の取り組みや講義内容などを自社に持ち帰りどういった活用をされましたか。

森下様:受講報告という形でJukuの内容をまとめて、社内に共有しました。矢野さんのお話の中にあった社内の階層ごと(経営層、管理職層、一般職層)に自分ごと化させる施策が非常に重要であるということや人的資本経営とウェルビーイングの両輪をどう回すかが社員一人一人のマインド形成において、確実に必要なアクションになるということを議論の中でも学びましたし、私も色々と調べた結果をまとめることができたので、まずは、その内容を私が所属している部を担当している担当役員に報告しました。

担当役員からは「この考え方をまず自部門でトライしてみたらどうか?」と言われました。それはポジティブに捉えていいのか、まだ全社向きではないというネガティブに捉えた方良いのか、悩みましたが「とりあえずやってみてはどうか」ということなのかなと思いました。

その後、同じ内容について年度事業計画を立案、推進、評価、総合調整を行う企画部門に報告し全社におけるウェルビーイングについて議論する場を設定しました。企画部門の中では、「人的資本経営をどう進めるかというKPIを自社として持った方がいいね」ということを考え始めたところでしたので、ウェルビーイングに関する考え方は、事業計画のインプットとしてはもちろんのこと、さらには将来的に必要になるということで、次年度(2024年度)の事業計画に具体的なアクションを盛り込むことを検討したいとフィードバックがあったのは嬉しかったです。

さらに、監査室、社長にも同じ内容を報告し、人的資本経営とウェルビーイングを両輪で回していくということは非常に興味深いという意見をもらっています。私からも引き続きこの活動は継続したいと宣言しました。

ー担当役員の方からの「自部門でトライしてみたら?」というフィードバックを受けて、具体的な活動など考えていらっしゃいますか。

森下様:具体的な活動はまだこれからですが、会社から求められるからやるという話ではなく、「自部門として何をやるかということを一旦考えてみなさい」ということだと理解しています。

例えば、私(部長)と副部長とチームリーダーが考えるウェルビーイングとは何かと、その配下にいる管理職が考えるウェルビーイングとは何か、そして一般職が考えるウェルビーイングとは何か、というのをそれぞれ出してみたら面白いのではないかと考えています。

ーJukuに参加していただいてプログラム中に印象に残っていることや良かった点などあれば教えてください。

森下様:矢野さんのお話の中にあった「階層ごとの施策に落とし込んでいく」というのは、まさにその通りだなと感じました。

あとは、寸劇スタイルでの発表形式には初めは面食らいました。しかし、結果的に良い取り組みだなと思います。各グループの発表を聞いてみて、矢野さんがお話していたこの部分を捉えて、このグループではこう考えましたということや、いろいろと調べた結果がまとめられていたので、各グループの特色が出た発表になっていたと思います。あの寸劇によって、プログラムの全てがまとまった(ラップアップができた)と感じました。

ー実際にご参加いただいてJukuはどういった方におすすめだと思いますか。

森下様:当然ですが、ウェルビーイング施策を社内に推進したいと考えている(私のような)タイプには刺さるプログラムだと感じました。

参加するにあたっては、それぞれが社内でどういった悩みを抱えているのか、どういう課題があって、どういう所につまずいているのか、どういったブロッカーに悩まされているかというそれぞれの会社の分析結果を持ち寄っていただくのが理想だと思います。

矢野さんの講義の中で、ヒントを得ることも期待できますし、悩みをディスカッションデーで発散し、その質疑の中で他のJuku受講生(参加者)から意見をもらうこともできます。

経営層や経営幹部の方々も多数参加されており、そのような階層の方々にとっても、それぞれの会社でどのようにウェルビーイング施策を進めていくかを考えるうえでヒントになると思います。 業種や事業規模が異なる会社の方が多く参加されていて、ウェルビーイングに対する考え方や課題を聞けることも非常に貴重な機会だと思います。